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2022.03.11商品についてコラムプロダクトデザイナーの視点 Vol.1:プロダクトデザインについて
“もの”を作る時、そこには多くの人が関わり、製品が出来上がります。
その一人が、「プロダクトデザイナー」です。
木と人も、ブランドの立ち上げから、プロダクトデザイナー宮田孝典さんと共に作り上げてきました。
今回は、デザインの視点からものづくりについて掘り下げてみたいと思い、プロダクトデザインについて、また木と人の家具への想いについて、宮田さんに話を聞きました。
―プロダクトデザイナーの役割とは?
ものづくりは、大きく分けると「企画」、「設計」、「製造」、「販売」と大きく4つの分野に分けられます。
企画内容を汲み取り製造設計へ依頼するまでの、製品の初期設計、つまり製品の「形状(寸法)」と「配色(素材)」を検討・提案するのが、プロダクトデザイナーの仕事です。
ただ、どこまで関わるかは依頼内容によって異なります。
私の場合は、企画やブランドの立ち上げから関わることもありますし、製品のパッケージや販促用印刷物まで関わることもあります。
木と人では、企画からパンフレットなどの販促物までブランドデザイン全般、さらにはプロジェクト活動にまで深く携わっています。
―どのようにして製品デザインを作り上げていくのですか?
大きく次の4つの点を検討し、もののデザインを決めていきます。
「内容を表す」
研究開発された技術や性能、製品性、ブランド性、会社性などを表すような形状と配色を考え、製品のラフデザインを制作します。扱う素材や加工方法によって、どこまで表現できるかが変わります。
「製造方法」
素材の特性を活かしたり、製造所の特性・加工方法に合わせた製品仕様や製造方法を検討します。デザイン性だけでなく、製造コストや加工の安定性を図ることも、プロダクトデザイナーの重要な役割です。ここでは、製造所と共同で進めていきます。
「使用場所」
道具の機能や役割を元に、人間にとって適切なサイズや道具の使用場所、使い方に合わせた形状と配色に調整します。また、組立て、動き、修理、廃棄方法等、実用時の前後も想定して設計しなければなりません。
「問題点」
使いやすさや印象などを考えた細かい形状・配色の変更や、大きな枠組みでの生活や社会への影響など、製品に関連する問題点を幅広く理解して改善方法を検討します。
これらを踏まえた上で、全体のバランスをとって道具として使えるよう設計していきます。
―プロダクトデザインの仕事を一言で表現すると?
「物事をどこまで分解して把握できるか、そしてどれだけ目的に沿って組立てられるか」だと考えています。
もののデザインには、その裏になぜそのような形状・配色になったのか、明確な意図があります。
使う人がより良い暮らしを送るための道具をデザインすることはもちろん、使用する素材や人との関わりについても深く理解し、検討して初めて、いいデザインが生まれます。
その点で、木と人は、ブランドが生まれた背景や使用している杉材の課題提起、人との深い関わり方などを、プロジェクトとして取り組んでいるところが強みであり、他とは違う魅力だと思います。
現代における問題点に向き合い、製品を作り販売するだけでないプロジェクト活動こそ、今必要なものづくりではないかと考えています。
木と人の家具への想いについては、次回Vol.2でご紹介します。