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2022.02.18コラム鉄工所「エキスパート商会」への工場見学
木と人の家具シリーズに使われている、鉄の脚や支柱。
この鉄の脚・支柱を製作しているのが、富山市で金物製作やスチール・ステンレス加工を行う『株式会社 エキスパート商会』さんです。
https://erimiumiu.wixsite.com/website
木と人の製品はすべて富山県で製造されています。
活動当初は、木製部分と鉄部分を製造いただけるパートナー企業を何件もまわることから始まりました。
エキスパート商会さんが作る鉄の脚・支柱は、柔らかい杉材をしっかりと支える強度を持ちながら、杉板の魅力を引き立てる美しい仕上がりが魅力です。職人が手作業で行うその高い技術は、まさに金物のエキスパート。
どんなふうに鉄の脚・支柱が造られているのか、金尾社長に案内していただき工場を見学させてもらいました。
■鉄製品の加工工程
【鉄材の切断】
搬入された鉄のフラットバーを、製品の大きさに合わせて切断
【一次加工】
鉄の下地処理・ブラスト加工
ショットブラストマシーンで鉄の表面処理を行う。
フラットバーにメタルの玉を噴射して、黒皮(鉄の酸化物)を除去することで、塗装がしっかりと鉄に密着して剥がれにくくなり、長持ちします。
シャーリング加工
板金素材を四角く切断。デスクの側板を作る時はなどに使われています。
【二次加工】
穴あけ加工
鉄を組み合わせるために、マシンを使って鉄に穴を開けます。
【組み上げ】
図面に従って鉄を組み立て、「TIG(ティグ)溶接」します。
TIG溶接は光による溶接方法で、火花が出たり溶接部分が盛り上がったりせず、また溶接処理部分も最小範囲ですむので、美しい仕上がりになります。
そのため、家具などの繊細な製品の溶接に向いているのだとか。
【塗装】
黒の塗装で最終仕上げ。
強度を高めるため、焼付塗装を行います。
ムラなく、塗り残しなく、どこから見ても美しくなるように仕上げて完成です。
エキスパート商会さんでは、7名の職人さんが在籍しており、木と人の鉄の脚・支柱を製作してくださっています。
主に、公共施設や新築住宅の階段・手摺などの金物製作をオーダーメイドしている企業なので、他の素材とのコラボ製品を作るのは、木と人の家具が初めての経験だったそうです。
金尾社長
「通常は図面を頂いて、それを一つ作ったら終わりなのですが、木と人は一つの図面から何度も作れることや、全国展開しているのが面白いなと感じました。
また、初めて杉板を見た時に、断面の木目のかっこよさにも惹かれました。
難しかったのは、細いフレームにこだわりつつも、強度を出さないといけないこと。
何度も試行錯誤して、今のカタチになりました。
細かな改良を繰り返す度に図面が増えていったので、完成後に『最終図面はどれだっけ?』となったほどです(笑)
あと、試作では『白』・『黒』・『ブラスト加工+クリア』の3カラーを製作しましたが、杉板の明るい色合いや節の個性と合う『黒』が選ばれました。
出来上がった製品を初めて見た時は、やっぱりうれしかったです。
それに、鉄は時間とともに劣化していく素材ですが、木は味わいが増したり思い出が刻まれていく経年変化が楽しめる点が魅力だと思います。」
鉄とはまた違う魅力を感じ、今後、かっこいい木目を魅せた木とのコラボ製品も作ってみたいそうです。
また、「木と人の家具を使用されている方の声、例えば改善点や良い点が聞けると嬉しいですし、次の製品づくりのヒントになるのではないでしょうか?」ともお話しくださいました。
今回、エキスパート商会さんを見学させていただき、改めて木と人の家具シリーズが多くの人との関わりから生まれていることを実感しました。
木と人の家具を通して、木の良さ、そして富山の職人の技術をもっと多くの方に知っていただきたいです。